♯music(仮)

ディスコボーイ ディスコガール

コウノトリの思考実験(閲覧注意)



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赤ちゃんはどこからくるかというのは人類最大の謎である。

主に一般的にいわれていることとしては次の4つがあげられる。

 


・キャベツ畑にいる

コウノトリがつれてくる

・キスをする

・性行為をする

 


これらの話を総合して解釈すると、
キャベツ畑にいる赤ちゃんをコウノトリ
キスや性行為している間に子宮に
赤ちゃんを着床させていると解釈できる。

 

しかしこれを文面どおりにとらえるのは
大変難しいことである。

 

まずもって仲睦まじい男女が盛りあっている時にコウノトリに赤ちゃんを仲介してもらうということは非常に残念である。
これではどんなに赤ちゃんを作ることが上手な人でさえナニとはいわないが萎縮してしまうに違いない。

 

万が一コウノトリが性癖の人存在していたとしても、それでは人間のこどもを産むことができない。

 

かつては誕生は神秘とされ儀式としても扱われていたが為に何かしらご利益があったコウノトリを仲介としていたのだが近代化が進むにつれて現代人の生活スタイルに適さなくなったと考えるのが自然である。

 

ではコウノトリ、さらには根源であるキャベツはどこへいってしまったのか

 

我々は人間とコウノトリ、キャベツの共通点を探した。するとDNAの部分で共通している部分が見つかった。全て同じ「A」「T」「C」「G」という塩基から組み上がっていることがわかった。

 

つまり人間は進化の過程でキャベツ畑とコウノトリを取り込むことに成功したのだ。

 

以上のことからコウノトリは人間の中に存在し、今日も地球のどこかで夜な夜な愛を囁いているかもしれない。今この瞬間も人間の奥深くのキャベツ畑から赤ちゃんは生まれてきている…

 

 

[Listen to 斜林法師 - Oh,Guy! ft. IA by 斜林(Naname Ringo) #np on #SoundCloud斜林法師 - Oh,Guy! ft. IA by 斜林(Naname Ringo) | Free Listening on SoundCloud]

 

ご静聴ありがとうございました。

Black Boboiのライブ行ってきたよ!

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(なんのひねりもないブログタイトル…)


Black BoboiAgate」リリースツアーの代官山で行われたラスト公演に行ってきました!


2月からずーーーーーっと騒ぎ続けてきたし、ライブは約半年ぶり?くらい。


まずはKID FRESINODJ!ヒップホップにようやく追いつき始めた自分にとっては、「あ!○○だ!」みたいな興奮もあれば、知らな曲にも出会えたり。KOHHが参加してるフランクオーシャンのNikes21savagea lotThe xxOn Holdのリミックスあたりはぶちあがりますね、フロアで聴くと。(ちなみにBlack Boboiのメンバー三人が最前列で一番踊ってました笑)


そこから間を空けずにHopi!こちらはBlack BoboiとおなじくBINDIVIDUALから最近EPをリリースしたばかり。音源もいいなーと思いつつ、何やってるかわからず、すごくライブを楽しみにしてた。

結果的にはライブ聞いて、より分からなくなった。笑。ソフルフルなボーカル、適宜入ってくるノイズ、電子音いろいろ入り混じって、これからの音源もすごく楽しみ。聴いたことない人はぜひ!


https://open.spotify.com/album/6oi1tT435O0cUfn1heOWbE?si=4LgGoDfdSuGgXzlFVDEbMQ


そして、トリはBlack Boboi。前回リキッドルームで見たとき同様既存の曲は素晴らしかったけども、そのときは照明も暗く、ほぼMCもなかったので、「黒」一色というか、ミステリアスな印象ばかりを受けたんだけど、その部分の印象はだいぶ変わった。

明るい照明を入れたり、MCで小林うてなさん中心にはっちゃけるし。笑。

ある意味スーパーオーガニズムの周りを巻き込む内輪感とか、ああいうものに近いものを感じた。KID FRESINODJで最前で踊ってたっていうのもそうだけど、「主催者である私たちが!」と気張ってる様子は全くなくて。本当に目の前で流れてる音楽に好きなように踊ってるんだな、そして自分たちの音楽ではリスナーを踊らせてるんだなと感じた。


あと、新曲も二曲やってました。一方は割とAgateの収録曲に近い雰囲気のもので、もう一方はまさかのアッパーチューン!なんかAgateと前回のライブで勝手にBlack Boboi像みたいなものを定義してしまってたけど、全部練り直しです あと、パーカー買いたい!笑


まだ聴いてないよ!という人は今すぐ!

https://open.spotify.com/album/4KYhZHNC6kIE2WGmF26LBj?si=0b2rXQ4HRzuR2cT325lwhQ







少し話は変わるけど、俺の目の前に車椅子でライブを観てる人がいた。そのほかにも年齢、国籍、ファッション、本当に色々な人がライブハウスに集まって、フレシノのDJHopiBlack Boboiの音楽に耳を傾けてた。


みんな自分が好きな服を着て、好きな音楽を聴いて、好きなように踊ってたよ。(俺スーツだったけど)


これが幸せだよね。これを守っていきたいし、もっともっといろんな人にこの楽しさ、幸せ、美しさ、素晴らしさが届けばいいのにな、ってこれは今回のライブに限らず、いいライブを観た直後は毎回思う。


うん。一部の「分からないことに理解を示そうとすらしない人」がドラッグにかこつけて、危ない場所だの歌詞の意味だの訳の分からないことを言ってる。


でも、性別、年齢、国籍、身体の具合、ファッション、こんなにもいろんな人が一つの音に耳を傾けて、踊ってる場所なんだよ、本来は。踊ってる理由なんか楽しい以外にないし、すべての曲に意味なんていらないと思うんだよね。


その車椅子の方の近くにいた数人の人たちはその人に見えやすいように場所を作ってあげてた。


場所がないなら作ってあげればいい。


少なくとも俺はそういうことを見出して音楽にのめり込んでいったところが少なからずある。


あれはダメ、これはダメ、あそこは危ないじゃなくて、いいものに安全なものにするために動くのが適切なんじゃないかな。


逸れまくってるようだけど、これってBlack Boboiの本質でもあると思ってて。耳を傾ける瞬間には自分の属性とかは関係なくて、本当に気持ちいい、最高ってだけで。これは本当に自分が勝手に言ってるだけなんだけど笑


Shinkai

猛烈に興奮している。


中学の給食時の放送である曲がすごく耳に残った。当時の自分が知ってるミュージシャンは彼女がよく聴いてたジャニーズ系くらいだったから、「嵐の曲?関ジャニ?」みたいな状態だった。


それから約1年ほど経ったある日のMステ。AKBにどハマりしてた僕はテレビの前で出番を待ってた。なんかよくわからない名前のミュージシャンの出番なんか興味ない。なーんて思ってたら、1年前に給食のときに聞いて気になった曲と同じものがテレビから流れてきた。


どうしてーーーーーーーーー!


なんかよくわからない名前のミュージシャンに目を向けた。サカナ+アクション。かっこよくはない。のちに6年もアルバムを出さなかったミュージシャンが「アクション」を造語にした名前にしてる。


どうやらアイデンティティという曲だったらしい。当時の自分はアイデンティティの意味もわからなかったから、これもよく分からない。なんだこいつらって感じで。しかも、前回Mステに出た時の曲名も「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」。長え。なんなら、前回はパソコンの前に立って歌ってたらしい。なんだこいつらと。


でも、なんだったんだろうと今でも思う。全く音楽に興味なんかなかったし、AKBはともちんと麻里子さま目当てに見てたし、ジャニーズは彼女と話を合わせるために見てた。そんな自分が「面白そう」と純粋に初めて思った。そして、「ちょっと曲聞いてみようかな」と初めて自分から思った。


「夜の踊り子」。跳ねた 跳ねた 僕は跳ねた

wow wow 小学生みたいに(サカナクション『夜の踊り子』)


なんだこの歌詞…愛してるとか恋してるみたいな歌じゃないじゃん…と思いつつ、かじりつくようにテレビを観てた。


何が衝撃だったのか。「跳ねた」なんて言葉を歌詞に使ってること。盛り上がってるところの後にさらにもう一段階盛り上がりがあったこと。自分には分からないことしかなかった。


その当時、自分でCDなるものを買ったことはなかったし、レンタル店があるなんてことすら知らなかった。本当に音楽とは無縁の片田舎に住んで、好きな女の子に会っては鼻の下を伸ばしてたような少年だった。


あけて土曜日。僕は珍しく早起きをして、自転車で20分。一番近くにあったショッピングモールにあるCDショップまで一目散に飛び込んだ。「サカナクション 夜の踊り子」と書いたメモを携えて。「ど、どこにあるんだ…?」10分かけても見つけられないバカ。のちにレコードショップでアルバイトをするとも知らずに。優しそうな店員さんに泣きそうになりながら、「これありますか?」と。やった!買う!あれ、CDってメンバーの写真が載ってるんじゃないんだ?


デュエル・マスターズ約8パック分のお小遣いをCDに費やして、人生初めてのCDを手に入れた。家に帰ってすぐに再生。当時はイヤホンすら持ってなかった。ずーーっと夜の踊り子を聴いてると、父親が「同じのばっか聴いてるな」と。うるせえ。邪魔すんな!反抗期。あの時はごめんなさい。(今でも父親は「本当にwow wowの曲好きだなー」と言ってくる)


というか、「夜の踊り子」のCD買ったのに違う曲も入ってる。これは地味だから聞かない!特に3曲目なんかは「僕の目」しか言ってないおかしい曲。(僕と花 sakanaction-Remix)


当時僕は放送部の女の子と付き合ってた。めちゃくちゃかわいかったのはさておき、放送部の人にリクエストをしてCDを持っていけば、曲をかけてもらえた。毎週「夜の踊り子」もっていって呆れられる。そして、放送が終わったらあの子が教室まで返しに来てくれる。サブスクリプション世代の諸君、これがおじさんの青春だ。


それから、半年後。ミュージックがリリース。これまた分からない。サビ「消えた」でめっちゃゴリ押すじゃんみたいな。めっちゃ聴いた。父親は「消えたのやつ」って言ってた。このシングルが発売された頃、よく遊んでた女の子が誕生日だったし、ワンコインシングルだったからその子の分も買ってあげた。まだ聴いてくれてるのかな。


と、次のサカナクションのアルバムに入る曲はそのときにまた改めてエピソードを書き散らすとして。いや、ようやく6年ぶりにサカナクションのアルバムがリリースされることが発表された。これにて3作連続リリースが完結する。(皮肉)


少し真面目な話を。僕はサカナクションから音楽を聴き始めた。そして、山口一郎さんが「深夜DJ」と謳ってTwitterで自身のフェイバリットを紹介されてるのを見て、サカナクション以外の音楽を聴き始めた。Floating Points、Manuel Tur、Tame Impala、Bibio、Bonobo…。


そして、音楽を聴くようになったからほかのカルチャーにも関心を持つようになった。インタビューで触れられた映画や小説、タイアップのついたドラマ、最先端のテクノロジー。どれも分からないものばかりだ。


大げさかもしれないが、音楽を聴いていなかった自分はどうだったろうと考えることがある。国籍、肌の色、性別、言葉、セクシャリティ、生い立ち、貧富、ドラッグ…。もっと厳しく突き放したり、考えようともしなかったのではないか。分からないものは気持ち悪いと考えてしまっていたのではないか。本気でそう思う。カルチャー至上主義です。


あえてマジョリティの中に飛び込んでいったがゆえに、「コアな音楽ファン」からは批判を受けたりもしている。ミュージックのパフォーマンスではクラフトワークのパフォーマンスを取り入れ、紅白直後のさらなるファン獲得も可能時期にリリースしたユリイカのPVは裸体をなぞらえるものだったり、宇宙のプロジェクトと手を組んだり。常にそれを知らないリスナーにとっては新しいものを取り入れてきた。アルクアラウンドなんかは明らかなセルアウト、マスを意識した作品だったと思う。それでも、PVで一仕掛け入れるなど。


サカナクションのインタビューを読む限りでは多少本当に自分たちがやりたいことというのを犠牲にしてきたところもあったのだと思う。マジョリティにはいくつもの制約が用意されてる。そんな中でも深夜DJから、本格的にNFというクラブイベントを行なったり、ライブMCなどいくつものメディアを通して、「踊る」ことに「自由」を付与してきたのが他でもないサカナクションだったと思う。性別、年齢、普段聴いてる音楽、そんなものは本当に関係ない現場を作ってくれた。


サカナクションに出会った人がD.A.N.に興味を持った、クラフトワークに興味を持った、レディオヘッドに興味を持った、そしてさらにその向こうに広がるどこまでも終わりのない音楽への地平にたどり着いたという話、レコードショップの店員さんからの話やネットなどでたくさん耳にする。


山口一郎さんがことあるごとに言ってきた「よい違和感」。実はそれこそが今という時代には求められるのではないかと思う。インターネットで検索すれば「答え」がいくらでも見つけられる、あわせて「答えらしきもの」にまで惑わされる時代。あいつが悪い、こいつが悪い、お前の自己責任だ、責任の所在を数にまかせて決めてしまえる時代。炎上したツイッタラーの顔、住所が特定できてしまえる、そして特定に沸き立つ時代。歌詞を検索すれば、それが何を表象してるのかがわかる時代。


もちろんナラティブは重要だ。ただし、果たしてそれを特定しておしまいなモノにどれだけの価値があるのだろう。多くの人が「答え」に安心を見出している。10年後じゃ遅い。今の安心が欲しい。そんな人にとって、違和感なんてのは壁でしかなく関心圏外になる。


「女性が就活で負担の大きいパンプスをなぜ履かなければならないのか」「最近の大学生はなぜこんなにもアルバイトばかりしているのか」「面接でお辞儀をするとき、なぜ男は手を前にしてはいけないのか。なぜ女性は前にしなければならないのか」


どこかに悪人がいるのかもしれない。でも、誰も分からない。だからこそ、ある人は無関心圏になって、ある人は変えなければと思い、ある人は常識はずれだと思う。途中からブスは黙ってろ、あのコメンテーターはいつも的外れなんてのも参戦してくるから厄介だ。


話が逸れすぎた。サカナクションは常に新しいことを追い求めてきた。サカナクションにとって新しいこと、そしてなによりもリスナーにとっては新しいことを。ロックバンドのライブにレーザーライトなんて当たり前のことだと思ってた。


「よい違和感」を「よい違和感」と感じた人はその違和感のありかを探して、サカナクションを細部まで聞くだろう。誰かさんは高校に行ったふりをして仙台のマックでひたすらサカナクションを聴いてた。そして、違和感に心地よさを覚えたら、次なる「よい違和感」を求める。こうやって、カルチャーは続いていくべきなのではないかと思う。


アジカンくるりのように、フェスを開いたり、新人賞を作ってフックアップしたり、メディアを使ったりといったものとも微妙に異なる「違和感」を提供してくれるサカナクション


分からないということは恥ずかしいことでも怖いことでもない。どこまでも美しく、素晴らしいことなんだと素晴らしい作品に出会うたびに思う。ceroのPLMSなんか分からなすぎて最高だ。


サカナクションを聞くと、分からないことに初めて感動したMステを見たときの自分を思い出し、懐かしくなる。こんなことを書きながら、Joni Voidって人も最高に意味がわからない。


サカナクション大好きです。アルバム楽しみに待ってます。就活の強いお供になるのも運命だったりして。


でも、欲を言えば6年は待たせすぎだ。



YUKI『forme』によせて(ばっしー)

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YUKIの『forme』というアルバム、みなさん聞かれましたか?僕はあんなにTwitterで騒いでたのに、KOHHの『Untitled』やBlack Boboiの『Agate』、それからそのブログを書くためにいろいろと作品聞き直したり。そんなことしてたら、2月中旬まで23回くらいしか聞いてない有様だった。



今回のアルバムは細野晴臣から尾崎世界観など本当に幅広い人に作曲をお願いしたようで、それぞれのクセのあるミュージシャンばかりなのですが、そこにボーカルが乗っちゃうとYUKIの曲になってしまうという。やっぱりボーカルとしてのYUKIってすごいなぁと改めて思ったり。


さて、そんな中で今回特に取り上げたい(というか、ほぼ個人の妄言なのだけど)のが二曲目に収録されている『トロイメライ』という楽曲、特にその歌詞についてです。(*レビューやシーンの視点なんてたいそうなものではないです。本当に個人の感想なので、そこだけは) 


https://m.youtube.com/watch?v=jw2bXuDnl1M


実は『トロイメライ』は僕の2018年の年間ベストソング、ぶっちぎりの一位だった。特に次のサビの一節が突き刺さった。


『目が覚めて 朝の陽が その頬を 照らしますように

何度でも 笑うのよ 何度でも 赦されていいから』(YUKIトロイメライ』より)


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この曲は映画「コーヒーが冷めないうちに」の主題歌。

映画のテーマは「後悔を背負って生きること」という感じ。とある喫茶店の一席に座ってコーヒーを飲むと、過去に戻ることができる。ただし、過去を変えることはできず、またコーヒーが冷めるまでに戻ってこなければ、過去に囚われたままになるというルールがある。

登場人物がそれぞれ過去に戻る理由は恋人との関係のもつれ、認知症の妻、事故で亡くなった妹、そして上記のルールで過去に囚われた母に会いたい娘と、設定としてはだいぶベタ。映画のレビューではないので、詳細は省きますが過去に戻った人物は結局同じことを繰り返し、コーヒーが冷める直前くらいに過去に聞けなかった事実を知り、変わらないと分かっていながらギリギリまで過去を変えようとする。過去から戻るとまた新たな後悔を口にすることに。そして、それぞれが新しい一歩を踏み出して、エンディングに。


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例えば、バカッター(インスタグラム版のバカってなんっていうんだろう)、不倫をした芸能人、レイシスト、ミソジニスト、皇室のあれこれ、不正等々。

インターネット以降、毎日のようにこれでもかとややこしい話や許しがたい話が聞こえてくるようになった。僕のようにSNSをやっているのであれば、なおさらだ。


センシティブな内容であればあるほど、それを目にした人はなにかしらの感情を抱くはず。「ふざけんな」だとか「これくらいいいじゃないか」だとか。


同じように自分の周りの小さな世界でも色々なことが起こり続けている。ある人はそれと知らずにマルチ商法に手を出し友達を失ったらしい。またある人は信頼していた人からセクハラを受けたらしい。


でも、ほとんどのことがいつのまにか忘れ去ってしまっているはず。例えば、このブログを読みながら「ベッキーあのやろう」と思ってる人はいるだろうか。


どうでもよくなった、考えを改めてくれた、心から謝ってくれた。理由はなんでもあれ、おそらく人生を通して、死ぬまで怒り続けたままのことっていったいどれくらいあるんだろうか。


もちろん、その反面許せないことや許してもらえなかったこともいっぱいあると思う。でも、そういう経験があるからこそ、行動に責任を持ち始めるんだと思う。(巷の誰もが言うような自己責任論にはこれが欠けてるとおもつ)


少し逸れてしまうが、BAD HOPの『Life Style』のYZERRバースにある「昔殴って傷つけた中学の先生が言う 見てるよがんばれ」という一節はまさにトロイメライで歌われているような「赦す側」と「赦される側」の美しさがあると思う。

まさに「赦したこと」、そして「許されたこと」によって見えてきたいまがあり、未来があるように感じて、ついウルっとくる。

彼らが武道館を埋めてライブをできてしまうまでにはたくさんの普通の人以上に「赦し」があったはずだし、次はラップ音楽を通じて彼らが川崎という街に、そこでもがくヘッズたちに「赦し」を与えていくのだろう。(これ以上書くと、Kawasaki Driftの感想になりそう笑)


さて、「トロイメライ」の話に軌道を戻そう。ポップソングの世界にはいくらでも同じようなテーマ・表現はある。でも、それらとYUKIのこの曲には決定的な違いがあるように思う。それは「安っぽいメッセージや啓発に終わらない、ポップミュージックであること」だと僕はおもった。


例えば、「許してあげる」とか「好きに生きなよ」みたいな歌詞はたくさん聴いてきた。しかし、これらは甘えとか現実味のない夢物語みたいな産物がほとんどだったと思う。

大してYUKIトロイメライはどうだろう。「赦されていい」という表現には「赦されない」場合も想定されている。だからこそ、どこまでもリアリティを担保している。厳しさがある。


許されないことがあるからこそ、許しを乞う。許しを乞い、もがくことでさらに許されないことをしてしまう愚かな人々、そしてそれは他でもない自分かもしれない。そんなことが「トロイメライ」にはしっかり想定されていると感じる。


そして、「トロイメライ」は単なるメッセージではなく、音楽である必然もある。例えば、1番のBメロ「道草して~」からのYUKIの歌はAメロの歌と比べて噛みしめるようにゆっくりとしたトーンに変わる。ドラムの音と合わさって、重い足取りで出かける人、帰る人に寄り添うサウンドのようにも聞こえる。


それから、2番の壮大なサビあとのラスト「星に手が届きそう 夢みたい」「あなたを見つめてると 夢見たい」のあとにYUKIが「hey!」とパワフルに歌い上げるところ。これこそが「赦された」もしくは「赦されなかった」人のどちらも見捨てることなく、背中を押してくれる救いだと感じた。



冒頭の歌詞に「私たちはひとりぼっちを認めて 初めての恋をした」とあるように、一人で生きていけるならなにも「許す」なんて行為は必要がないのかもしれない。

「許すべき人」「許されるべきでない人」なんて本当は誰一人としていないのかもしれない。


と、そんなこんなで誇大妄想もはなはだしい感想を書いてきたわけですが(笑)、『forme』のトロイメライに次ぐリードトラック『やたらとシンクロニシティ』の歌詞にも少しだけ触れたい。


この曲の1番サビに「誰もが言いたいこと 言えたらいい」という歌詞があり、2番では同じフロウで「誰もが猫の手にも借りたいくらい 忙しなく歩く 月曜の朝も」と歌われている。


インタビューによると(YUKIforme」インタビュー|変幻自在なYUKIが自分自身へ贈る2度目の1stアルバム ...https://natalie.mu › ... › 特集・インタビュー)、「助ける側」と「助けられる側」は実はどちらも助け合っているというのがきっかけとなって曲ができたとのこと。


1番の歌詞だけ見ると、いわゆるマイノリティ、なかなか声を上げられない人たちに向けた言葉なのかと感じるが、2番まで聴くといわゆるマジョリティだって抑圧された現実の中を生きており、だからこそバランスを崩しておかしなことが起こってしまうというようなことが提示されているように思う。


これも特定のコミュニティに語りかけたのではなく、耳を傾けてくれるリスナーすべてに語りかけてくれてるのだろうと思う。

というようなことをヒトカラで考えてしまい、号泣したやばい人です。


本当に長くなってしまいました。最後まで読んでくださってる方いるんですかね?笑


ネットで「曲名 歌詞 意味」って検索予測で出てくるけど、本当に嫌いで。「音楽に意味なんて求めるな」と思うし、この文章を書く上でもいわゆるそういう文章にならないようにだけ気をつけました。まぁ、個人の感想なんですが。妄言なんですが。


YUKI歴は3年くらいなので、これまでの作品のこととかはあまりまだわかりません。ジュディマリもわかりません。BOXセット買ったので、聴きまくろうと思います。


YUKI最高!そして、ありがとう!

10分弱で書いたあれこれ(ばっしー)


Twitterでラフに音楽を紹介するときでも、前回のBlack Boboiのようにこうやってブログで長々と書いていくときも、いくつか自分の中で気をつけていることがある。


例えば、安易な引用は避けることがその一つ。けっこう多い気がする。マイブラの「Loveless」とかレディオヘッドの「Kid A」、ジャンルでいうなら最近のトラップなんかは王道。トラップを取り入れたバンドに「すげぇ〜」とか、エレクトロを導入したバンドに「Kid A的」と言ったりとか。


「お前のBlack Boboiの文章、引用だらけじゃねぇか」と。あれは結構悩んだ。引き合いに出したのが海外の音楽をたくさん聴いている人であれば、「何をわかりきったことを」という引用だったと思う。


あの文章、個人的な裏テーマとして「サカナクションが好きな人、あるいはサカナクションからD.A.N.を知った人にいかにBlack Boboiのプレゼンができるか」というものをもっていた。


サカナクションについては今年出る新譜(希望的観測)が出た時にまた詳しく書くとして、自分はサカナクションの音楽を聴いて、そこから山口一郎さんがTwitterで「深夜DJ」と言って紹介してた音楽を聴くことでどんどんのめり込んでいった。


サカナクションは最近もラジオやクラブイベントで自分たちのリスナーに主体的に新しい音楽との出会いの場を作ってはいるけど、Twitterみたいなフランクなものは少し減っちゃったかなーと思ってるところがあって。

だから、一人か二人でも「実はこういう音楽もあって…」というのを伝えたかった。という意図で比較的多めに引用をした。


ただただ自己満足的に、知識をひけらかすような引用ならしたくない。


自分はまだまだ文章を書くことは上手いとは言えないし、ビートルズストーンズみたいなクラシックも咀嚼してる人ではない。


だけど、「最高!」とか「かっこいい!」は言える。どんなにうまい表現を使っても、知識を持っていても、最終的にこれが伝えられないんじゃダメだと思う。(音楽だいすきクラブのBlack Boboiについて書かれた文章はひどかった)


と、まぁ自分はまだまだ出会ってない音楽がある。だからこそ、The Avalanchesくるりみたいなあらゆる音楽へのアクセスを可能にしてくれる音楽が大好きだ。


ネットにはサンプリングを解析してくれるサイトがあるし、サブスクリプションというプラットフォームもある。主体性さえあれば、きっとどこにでもアクセスできる。


CDはおわり?サブスクリプションのはじまり?よく分かんないけど、こんなに音楽に囲まれた生活が楽しくないわけがない。


自分にはアリアナグランデに関する文章は書けない。アルバム「thank you,next」は何十回も聴いてるけど。KOHHも書けない。


でも、Black Boboiのような面白い音楽を数人の人に伝えることはできるかなとは思う。


ということで、またなにか面白いもの見つけたら好き勝手書きますね。


Coyote


地元にもあまり友達多くないけれど、帰ると必ず会う中学以来の友達が何人かいる。この僕のほかにブログで記事書いてる人もその一人。


今回の帰省は就活の関係もあり、1週間程度ですごく短かったけど2人の人と遊んだ。ベロベロになってKOHHの替え歌やったり、記憶なくしたり、寒空の下最近購入したAVの話したり、それはそれは中身のない話をしまくった。


でも、なんかこういうの好きだな。聞いてもないのに自慢話してくる上のやつとか、損得勘定で付き合おうとしてくるやつとか、 なんかでマウント取ろうとしてくるやつとか興味ないし。今日遊んだ友達の周りにも就活語ってる同級生出てきたそうです。さぶっ。


ただただ、プロ野球の順位予想とかエロい話とか悪口とか言ってバカ笑いしてたいよ。たまに、真面目な話して。そこからなんの脈略もなく、エロい話に戻ったりして。ちなみに今年は阪神は3位、楽天は5位と予想してます。藤浪復活するといいな。


そうそう、帰省にあたってもう一個目的があった。実際に上京するまで暮らした街を歩きながら、就活の自己分析をしたかった。


吐き気するね。なんだよ自己分析って。知らねえよ自分のことなんか。「僕は真面目です」こんなこと数ヶ月言ってるのかな。エロいこと大好きですとかのほうが自分を表してるんだけどな。


就活無策すぎて大丈夫かなとか本当に不安になってます。SPIの算数できないし。でも、大丈夫って言ってくれたのはジョンレノンでもケンドリックラマーでもなく、下世話な話をしてくれた人たちです。ありがとう。


それでは聞いてください。シャムキャッツで『Coyote』。

Black Boboi『Agate』(ばっしー)

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年間ベスト以来の更新ですね。ばっしーです。


今回は『Agate』をリリースし、話題に上がってきているBlack Boboiというミュージシャンについて書いてみようと思います。


https://open.spotify.com/album/4KYhZHNC6kIE2WGmF26LBj?si=WnIwwclhQ-qhfHoBJ_DVsw


いやぁ、最高の一言に尽きます。最近はこれとKOHHばかり聴いてる。


僕のツイッターを見てくださってる方はうるさいなぁとか思ってもらえてるでしょうか。FLAKE RECORDSやmore recordsなどのレコードショップでもフィジカルが販売されたり、内田ゆうほさんなど幅広くリアクションが起こりはじめてるように感じます。個人的に参加しているmore recordsさんの「モアレコラボ」のほうでもご紹介させてもらいまして、結構面白がってもらえたみたいです。


Black BoboiのメンバーはD.A.N.や蓮沼執太などの作品にも参加している小林うてな、Julia shortreed、ermhoiの女性三人から構成されています。(それぞれのソロ作品も最高ですよ!)このグループ、もともとはうてなさんらが中心となって結成した[BINDIVIDUAL](BindとIndividualを組み合わせた造語)というコミュニティのプロジェクト第一弾として活動を始めたとのこと。


僕はこのバンド、昨年末にリキッドルームで行われたD.A.N.OGRE YOU ASSHOLEのツーマンのOAで初めて知りました。もうOAで興奮しすぎて、ライブ激ヤババンドの2バンドすら若干かすむ勢いで興奮したのを覚えています。(笑)そのライブの模様はYouTubeアーカイブされてますので、ぜひ音源と合わせて見てみてほしいです。


https://m.youtube.com/watch?v=TKYfNFDcP20



Black Boboiの音世界はどこまでもダークで、まるで光の届かない海底をイメージさせられます。海の中に水滴を見出すかのように、一つ一つの音が本当に繊細に聞こえてくる。一方、ただ暗いだけではなく、フィジカルの強さも感じられ、だからこそこれはぜひライブで一度体感してみてほしいと思います。低い音が本当に気持ちいいです。その点はRhye『Blood』に近いのかもしれません。


https://open.spotify.com/album/0ZR6Q8vn8NBelXkfukrIrY?si=Ge2k5bkJQ1yJB-jNA6zaog


ほかにもFloating PointsやSyd、The xxなどエレクトロニカアンビエントトリップホップR&Bなどあらゆるジャンルを横断していると感じました。この辺の音楽が好きな人にもぜひ一度聴いてみてほしい。


https://open.spotify.com/album/5kxdPzutcONxecJmXUIj2c?si=nwt2lO7rSJ2lhjJ7RWC7HQ


https://open.spotify.com/album/59Bbr32pMTFHlUb8Nv1Kr0?si=4L1L7mDKQdmaOF1ZOQqe2Q


https://open.spotify.com/album/7jrxBbSIpwZnOd7kuAYFHG?si=7qHCO5tMR1ONgGRYk-5g7w


正直、自分自身「この辺かなー」という感じでいろいろな作品やジャンルをあげてみたけれど、しっくりきてない部分もある。Qeticさんのインタビューによると、Julia Shortreedさんはメタルも通ってるみたいですし、音源に直接現れてなくても、本当に色々な音楽をそれぞれが通っているのだと思う。だからこそ、現時点ですでに「○○のフォロワー」ではなく、オリジナルな作品として成り立っているのだと思う。


うてなさんがスティールパンで参加しているD.A.N.と比較してみると、Black Boboiのほうがよりエクスペリメンタルさを感じた。この曲とか特に。


https://open.spotify.com/track/0B96aWv2xhkv2QYvr3PL4Q?si=07zUtZxtRd65v3fWFXvr2w


また、歌に関してもBlack Boboiのほうがより記号的で、楽器としての歌の要素が強いように感じる。


先に述べたライブ後の感想でこのようにツイートしました。「Black Boboiが水の中の人,D.A.N.が水中から陸に上がろうとしてる人、オウガがずっと陸上にいる人みたいな音楽だなと思いました」D.A.N.はもっと色づけのイメージがあるけど、Black Boboiはどこまでもダークな世界だなと感じる。


昨年サカナクションの山口一郎さんとD.A.N.のメンバーの対談(https://www.cinra.net/interview/201807-dan/amp)で「染みながら踊る」という話が出ていたけれど、まさにBlack Boboiもそこは共通していると思います。

また、いろいろな音楽を取り込んでいるミュージシャンはともするとアンダーグラウンドになりがちで、退屈なものにもなりかねないけれど、Black Boboiの音楽は同時にポップさを兼ね備えていると思う。だからこそ、幅広い人たちからリアクションが起こりはじめてるのだと思うし、これからも広まっていくと思います。


最後に2019年、そしてその先もBlack Boboiはどんどん注目されていくと思います。新たなポップミュージックになり得ると思う。D.A.N.が『EP』をリリースしたときの興奮と「これからどうなるんだろう!」というワクワクを思い出します。いろいろ長々と書いてきましたが、シンプルにすごく「アート」だなと感じました。


ちなみにフィジカルはフィジカルでジャケットのアートワークが配信とは別のものになっていたり、歌を「記号的」と言いましたけど、歌詞カードを手元に聞くとまた面白かったりします。


あと、こちらのインタビューもとても面白かったです。ぜひ読んでみてください。 https://qetic.jp/interview/blackboboi-pickup/290166/amp/